はじめに:長期ヨーロッパ旅行の旅程計画で悩んでいませんか?
「2ヶ月もあるヨーロッパ旅行、どう計画すればいい?」 「複数国を効率よく回るルートの決め方は?」 「長期旅行で絶対に押さえておくべきポイントは?」
ヨーロッパの長期旅行では、選択肢が多すぎて逆に計画が立てにくいという悩みを抱える方が多いのではないでしょうか。
私は2024年夏に家族3人で2ヶ月間のヨーロッパ旅行を実施しました。その経験から、長期旅行の旅程を効率的に組む方法を、実際の計画プロセスとともに詳しく解説します。
長期ヨーロッパ旅行の旅程計画:基本的な考え方
なぜ詳細な旅程計画が必要なのか
長期旅行では「車を借りて現地で自由に決める」という選択肢もありますが、今回は以下の理由から事前計画をしました。
ヨーロッパ夏季観光シーズンの特徴
- 人気観光地は非常に混雑
- ホテルの予約が取りにくい
- レストランの予約が必要
- 慣れない場所での長距離運転による疲労リスク
事前予約が必要な体験
- 人気レストランの予約
- 特別な体験プログラム
- 限定的な観光施設
- 交通手段の確保
【STEP1】入国・出国の国を決める:旅程計画の基礎
最初に決めるべき重要事項
長期ヨーロッパ旅行の計画で最初に決めるべきは「どの国から入り、どの国から出るか」です。この決定が、その後の全体的なルート設計に大きく影響します。
パターン1:同一国入出国の特徴
メリット
- 往復航空券が購入でき、費用を抑えられる
- レンタカーの乗り捨て料金がかからない
- 計画がシンプルで立てやすい
デメリット
- 同じ場所に戻る必要がある
- 移動効率が悪くなる可能性
- 時間的な無駄が発生しやすい
具体例:ポルトガル発着の場合 ポルトガル(最西端)→スペイン→フランス→ドイツ→フランス→スペイン→ポルトガル(戻り)
この場合、復路で同じ道を逆行することになり、時間の無駄が発生します。
パターン2:異国間入出国の特徴
メリット
- 移動効率が良い
- より多くの国を効率的に周遊可能
- 時間を有効活用できる
デメリット
- 航空会社によっては片道航空券が必要で費用が高い
- レンタカーの乗り捨て料金がかかる
- 計画の複雑さが増す
具体例:西→東の移動 スペイン(入国)→フランス→ドイツ→チェコ→ハンガリー→東欧諸国(出国)
私の選択:異国間入出国を選んだ理由
私は「できるだけ多くの国を効率的に回りたい」という目的から、異国間入出国を選択しました。
決定プロセス
- スペインでの用事があったため、入国はスペインに決定
- トルコ航空の乗り継ぎが良かったので、帰りはトルコ航空が飛んでいるベネチア出国に決定
決まったらすぐに航空券を押さえたほうが良いです。早いほうが航空券が安いですし、座席の選択肢も豊富です。私は出発半年前には購入していました。
【STEP2】行きたい場所の徹底的なリストアップ
リストアップの重要性
旅程計画の次のステップは、「行きたい場所・やりたいこと」を徹底的にリストアップすることです。この作業が、後の優先順位決定とルート設計の基礎となります。
リストアップの具体的方法
カテゴリー別の整理
- 都市・観光地
- レストラン・グルメ
- 美術館・博物館
- 体験・アクティビティ
- 自然・景観
実際のリストアップ例
私が実際にリストアップしたのは下記です。
文化・歴史体験
- スペインで闘牛観戦
- バルセロナのサグラダファミリア
- シャーロックホームズ博物館(ロンドン)
- アウシュビッツ強制収容所(ポーランド)
自然・景観
- イギリスのコッツウォルズ
- ドイツのライン川下り
- ジブラルタル海峡
都市・エンターテイメント
- デンマークのチボリ公園
- パリオリンピック(2024年夏)
- ブダペストの温泉
特別な体験
- 地中海クルーズ船
- ヨーロッパの夜行列車
- チェコのチェスキークロムロフ散策
リストアップ時の重要なポイント
実現可能性はいったん無視 最初の段階では、実現可能性を考えずに「やりたいこと」を全て書き出します。後で削ることはできても、思い出すことは困難だからです。
具体性を重視 「フランスに行く」ではなく「パリのルーブル美術館でモナリザを見る」など、具体的な行動レベルで記録します。
時期的制約の考慮
- 季節限定のイベント
- 特定期間のみの営業
- 予約が必要な体験
などを考慮します。私の例で言うと、パリオリンピックは時期と場所が確定していました。また、地中海クルーズもおおよそ出航地は決まっているので、場所が特定されていました。
【STEP3】優先順位の決定とルート設計
優先順位の3段階分類
リストアップした項目を以下の3つのカテゴリーに分類します:
A:絶対に行きたい(Must-have)
- 旅行の主要目的
- 逃したら後悔するレベル
- 日程の中核として組み込む
B:できれば行きたい(Nice-to-have)
- 時間があれば行きたい
- 他の予定との調整可能
- ルートの効率性を考慮して決定
C:行ければ良い(Optional)
- 興味はあるが優先度は低い
- 時間的・予算的余裕がある場合のみ
- 最終調整で決定
最終的には行けない場所も出てきますが、まずは何をしたいのかを全部出し切ってみることが大事だと思いました。そうしないと、後でここも行きたかったのに、行けばよかった、などと悔いることがあると思ったからです。また、行きたい場所のリストがあることで、その中でも必ず行きたいところはどこか、行ければ良いという場所はどこかが自分の中で整理できました。その上で必ず行きたいところを回りつつ、できるだけ多くの場所を回るルートというのが決まってきました。
長期旅行特有の注意点
疲労管理の重要性
2ヶ月間の長期旅行では、疲労管理が重要な要素となります。せっかく休暇できているのに、慌ただしくあれもこれも、と移動ばかりしていては疲れてしまいます。
適切な休息日の設定
- 同じ場所に最低2泊、できれば3泊し、移動しない日を設ける
- 洗濯・買い物などの生活時間を確保
- 体調管理の時間を設ける
移動頻度・時間の調整
- 交通手段の使い分け
- 5時間以上など時間がかかりすぎる場合は飛行機も考慮
実際の旅程決定プロセス
私の旅程決定の実例
Phase 1:骨格の決定
- 入国:スペイン、出国:イタリア
- 必須訪問国:スペイン、イギリス、フランス、ポーランド、イタリア
- 大まかなルート:西→東の移動
Phase 2:詳細な調整
- 各国の滞在日数を決定
- 都市間の移動方法を検討(極力電車)
- 宿泊施設の立地を考慮
Phase 3:最終確定
- 航空券の予約
- 主要ホテルの予約
- 必須体験の事前予約
旅程計画で避けるべき失敗パターン
よくある失敗例
詰め込みすぎ
- 毎日新しい都市への移動
- 移動時間の過小評価
- 休息時間の不足
毎日移動するのは嫌だったですし、そもそも荷造りが大変なので、どの都市も最低2泊は滞在するように計画を立てました。
計画の硬直性
- 全てを事前に決めすぎる(毎日やることを予約済み、など)
- 現地での調整余地がない
私の場合事前に行く国、移動の順番、宿泊するホテルは日程も全て決めていました。とはいえ、この日は特に予定がない、という日が多く。事前に予約したイベントもありますが、大体どの都市も1個か2個ぐらいでした。
まとめ:成功する長期ヨーロッパ旅行の旅程計画
長期ヨーロッパ旅行を成功させるための旅程計画のポイントをまとめると:
計画の基本方針
- 入国・出国国を最初に決定
- 行きたい場所を徹底的にリストアップ
- 優先順位を明確にしてルートを設計
効率性の追求
- 地理的・時間的効率性を重視
- 季節やイベントを考慮した計画
柔軟性の確保
- 完全に固定せず、調整余地を残す
- 現地での発見や変更に対応できる余裕
事前準備の重要性
- 人気施設の事前予約
- 交通手段の確保
- 宿泊施設の立地考慮
次回は、2か月の家族長期旅行に備えた荷造りについて紹介します。計画通り行って良かったこと、こうしておけば良かったと後悔したことについて記録します。
この記事が長期ヨーロッパ旅行を計画中の方のお役に立てれば幸いです。