スペインの国営宿泊施設「パラドール」とは
グラナダ駅に到着し、いよいよ宿泊先への移動です。
スペインには「パラドール」という特別な宿泊施設があります。古城、宮殿、修道院などの歴史的建造物を改装した国営ホテルで、私は水曜どうでしょうで知りました。せっかくスペインに来たからには一度は泊まってみたいと思っていたところ、アルハンブラ宮殿内にパラドールがあることを知り、奮発して予約することにしました。
アルハンブラ宮殿への交通アクセス
アルハンブラ宮殿は丘の上に位置しており、徒歩でのアクセスはかなり困難です。バスかタクシーでの移動が必須となります。私たちは駅からタクシーを利用しました。
チェックイン時の予想外の交渉
今回予約したのは一番安いツインルームでした。
受付には日本語が話せる親切なスタッフがいました。チェックイン時に彼から(英語で)こんな提案をされました。
「今日はキャンセルが出てしまった。このまま空室にしても売り上げにならないので、どうだ、追加料金を払って部屋をアップグレードしないか」
提示された追加料金は1日あたり追加で400ユーロ。3泊なので1200ユーロの追加です。
「まず部屋を見せてほしい」と伝えて、アップグレード対象の部屋を案内してもらいました。確かに庭に面した眺めの良い2階の部屋で、ベッドルームが2つある豪華な造りでした。
家族で相談した結果、1日400ユーロの追加は予算オーバーということで一度は断りました。
すると「ちょっと待ってくれ、今マネージャーに電話してみる。200ユーロの追加ならどうだ」と再提案されました。悩んだ末、「それなら」と思い切って部屋をアップグレードしてもらいました。
結果的に、これは非常に良い判断だったと思います。アルハンブラ宮殿内の静かな場所で、ゆっくりと過ごすことができました。

交渉について後から思ったこと
振り返ってみると、「キャンセルが出た」というのは営業トークで、実際は空いている部屋を有効活用するために宿泊客にアップグレードを提案しているのかもしれません。国営施設なのに値下げ交渉ができるというのも、少し不思議な感じでした。
もう少し値段を下げられたかもしれませんし、値段が下がらないなら「朝食を付けてくれ」と交渉すればよかったと少し後悔しています。

パラドール宿泊のメリット
アルハンブラ宮殿観光に絶好の立地
最大のメリットは、アルハンブラ宮殿の敷地内に位置していることです。宮殿の入り口から徒歩数分の距離にあり、観光には非常に便利でした。
再入場の利便性
通常、アルハンブラ宮殿は丘の上にあるため、バスで近くまで行って歩くかタクシーを使うしかなく、行くだけで疲れてしまいます。パラドールに宿泊していれば、例えば夕方に観光客が減った時間帯にもう一度宮殿を訪れることも簡単にできます。
パラドール宿泊のデメリット
街からの距離
一方で、街の中心部からは離れているため、パラドール内のレストランで食事をする分には問題ありませんが、「ちょっと外で軽く食事を」という時には不便を感じました。
洗濯のためにコインランドリーを利用する際も、町まで丘を下りて行く必要があり、少し大変でした。
宿泊費用について
当初の予算と実際の支払い
もともと3泊で1000ユーロの予定でしたが、部屋のアップグレードにより1700ユーロになりました。
確かに高額でしたが、アルハンブラ宮殿という世界遺産の敷地内に宿泊できる特別な体験を考えると、価値のある出費だったと思います。
パラドール宿泊をおすすめしたい人
こんな方にぴったり
- アルハンブラ宮殿をじっくり観光したい方
- 歴史的建造物での宿泊体験を重視する方
- 特別な旅行の思い出を作りたい方
- 移動の便利さを優先したい方
注意しておきたいポイント
- 街の中心部からは離れている
- 宿泊費は一般的なホテルより高額
- 生活面での利便性は限定的
まとめ:一度は体験したいスペインの特別な宿泊施設
アルハンブラ宮殿内のパラドールは、確かに高額でしたが、それに見合う特別な体験ができました。世界遺産の敷地内に宿泊できるという贅沢さは、他では味わえないものです。
スペイン旅行でパラドールを検討している方には、特にアルハンブラ宮殿観光を重視するなら強くおすすめします。

次回予告 次回はアルハンブラ宮殿の観光体験について詳しくお伝えします。