パラドールに宿泊していても、アルハンブラ宮殿は別途入場料が必要です。1日の入場制限もあるので、事前に予約しておいた方が良いです。個人見学も可能ですが、特に案内板などがないのでガイドツアーの方が良いと思います。パラドールに問い合わせると、ガイドの予約と繋げてくれます。私は子供もいたので、日本語のプライベートガイドをお願いしました。
夏に行ったので昼間は暑く、おすすめは朝一番に行くことです。昼間よりは涼しいですし、まだまだ空いています。
パラドールの受付でガイドの人と待ち合わせをします。これもパラドールに宿泊することの利点です。涼しい場所で待ち合わせができ、部屋から出てすぐのところなので、寝坊さえしなければ遅刻の心配もほぼないです。
ガイドはルシアさんという日本語が堪能な方でした。もともとグラナダ出身なのですが、子供の頃はサンセバスチャンの近くに住んでいたと言うことで、バスク語の話で盛り上がりました。子供の頃は全員バスク語を習わないといけないので、大変だった(スペイン語と全く異なる言語なので)、と言うことです。
アルハンブラ宮殿とは
アルハンブラ宮殿は13世紀から14世紀にかけて、イスラム王朝ナスル朝によって建設された宮殿です。「アルハンブラ」という名前はアラビア語で「赤い」を意味する言葉が由来だそうです。なぜ赤なのかは諸説あるようで、ガイドのルシアさんによると、王様の髭の色が赤色だったから、だそうです。他にも夕日に照らされると赤く輝く城壁の色が由来、など諸説あるようです。
1492年にスペイン王国がグラナダを征服するまで、この宮殿はイスラム王朝の王たちの住まいでした。イスラム支配時代のスペインにおける最高傑作の一つとされ、1984年には世界遺産に登録されています。
ナスル宮殿:イスラム建築の最高峰
宮殿の中でも最も見どころなのが、ナスル宮殿です。繊細なアラベスク模様の壁面装飾、幾何学模様のタイル、天井一面を覆う鍾乳石飾りなど、イスラム建築の美が凝縮されています。
特に印象的なのが「アラヤネスの中庭」と「ライオンの中庭」です。
アラヤネスの中庭は、細長い池に宮殿が映り込む美しい空間です。水面に映る宮殿の姿は、まるで鏡のようでした。

ライオンの中庭には、12頭のライオン像が支える噴水があります。ガイドのルシアさんによると、これはイスラム建築の中では珍しいそうです。なぜならイスラムでは偶像崇拝はしないので、このような動物の彫刻は通常見られないからです。ルシアさんによると、王妃のたっての願いで作ったそうで、中庭はプライペートなスペースだからまあいいんじゃないか、ということで王様の許可が降りたとのことでした。このような話が聞けるのもガイドツアーの面白い点です。

壁一面に施されたアラビア文字の装飾も見どころです。これらは単なる装飾ではなく、コーランの一節や詩が刻まれているそうです。

ヘネラリフェ:王の夏の離宮
宮殿に隣接するヘネラリフェは、王族の夏の別荘として使われていた場所です。美しい庭園が広がり、噴水や水路が配置されています。
アルカサバ:軍事要塞跡
アルハンブラで最も古い部分がアルカサバ(城塞)です。ここは軍事拠点として使われていた場所で、見張り塔や兵舎の跡が残っています。

塔に登ると、グラナダの街が見渡せます。シエラネバダ山脈の雪を頂いた山々、グラナダの赤い屋根の街並み、そしてアルハンブラ宮殿の全景。ここは朝早く来ないと混んでしまうので、早めに来ることをお勧めします。
見学する際のポイント
見学には2〜3時間かかります。途中で休憩を挟みながら、無理のないペースで回ることをおすすめします。特に夏場は水分補給を忘れずに。入場券は1日使えるので、少し休憩して夕方もう一度見学する、ということもできます。
見学後の感想
約3時間のプライベートツアーを終えて、改めてアルハンブラ宮殿の素晴らしさを実感しました。ヨーロッパでこれほどすごいイスラム建築が見られるというのが驚きです。イスラム教の国に行ってもここまで豪華な建築は、なかなか見られないと思います。
次回はグラナダの市内観光について紹介する予定です。